エントロピー増大の法則を宇宙一わかりやすく物理学科の僕が解説する

こんにちは、物理学科のしば(@akahire2014)です。

このページを見てくれたあなたは大学の授業や、日常で「エントロピー」という単語を聞いたことがあるでしょう。

エントロピーとは?エントロピー増大の法則とは何か?について大学の熱力学の授業で学んだ僕がわかりやすく解説します。

これを読めばエントロピーについて理解が深まるはず。

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エントロピーとは

エントロピーとは「系の乱雑さ」です。

要するにその系が散らかっていれば、エントロピーは大きく。整っていればエントロピーは小さいということになります。

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エントロピー増大の法則

エントロピーに関係する法則に「エントロピー増大の法則」とか「エントロピー増大則」というものがあります。

閉じた系ではエントロピーは必ず大きくなる

これがエントロピー増大の法則です。

ちなみにエントロピー増大の法則は熱力学第二法則から導かれます。導き方は書いていないですが、熱力学第二法則について知りたい方は以下の記事をみてください。

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熱力学第二法則を宇宙一わかりやすく物理学科の僕が解説する

日常でも見られるエントロピー増大の法則

例えば部屋を締め切ってしまって放置しておくと、部屋の中はどんどん散らかっていきます。

しかし放置しておくと部屋が綺麗に整頓されていくなんてことは起こりません。

このようにエントロピー増大の法則は日常生活でも現れるくらい一般的な自然法則です。

他にも例はたくさんあって以下のようなものが考えられます。

  • タバコの煙はタバコから広がるが戻ってくることはない
  • 色違いの水は自然と混ざるが、勝手に2つの色に別れることはない
  • 生き物が死ぬと微生物に分解されてバラバラになる
  • 宇宙はどんどん広がって行く

生命にもエントロピー増大の法則は当てはまる

エントロピー増大の法則を聞いた後にあなたは「生き物にはエントロピー増大の法則は当てはまらないんじゃないか?」と思うかもしれません。

確かに、人間は100年くらい人間としての姿を保つことができます。しかし人間を締め切った家に閉じ込めて食べ物を与えて3日ほど生活してもらったとしましょう。

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結果的に人間のエントロピーの大きさは保たれているかもしれませんが、排泄物や食べ物の残骸などで部屋全体のエントロピーは大きくなっているはずです。

エントロピー増大の法則は閉じた系でしか成り立ちません

開いた系で生きている人間は分解したりせずに生き物としてエントロピーが小さい状態で生きることができているわけですね。

なぜエントロピーは乱雑さなのか?

ここまで読んでくれたあなたは大まかにエントロピーとエントロピー増大の法則がどんなものかわかったはず。

しかし「エントロピーってなんで乱雑さなの?」と思うかもしれません。

僕自身、大学で熱力学の授業を受けるまではエントロピーが乱雑さである理由がわかりませんでした。

ボルツマンの関係式と呼ばれる式があります。Sをエントロピー、{ \displaystyle k_b } をボルツマン定数、Wを微視的状態に数とした時に

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この公式が成り立つことが知られています。微視的状態数が多いほど系は散らかっているということですから、この公式からエントロピーと系の乱雑さが関係付けられていることがわかります。

ボルツマンの公式の意味

ボルツマンの公式のすごいところはマクロな世界とミクロな世界を結びつけたということです。

一般的に系の微視的状態の数なんて測定できませんが、エントロピーは間接的に測定することができます(熱力学の関係式を使って)。

つまりエントロピーが分かれば人間が全く知ることができなかった微視的な世界のことがわかるわけです。

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まとめ

エントロピーについて今回学んだことをまとめておくと

  • エントロピーは系の乱雑さである
  • 閉じた系では必ずエントロピーが増大する
  • エントロピー増大則は熱力学第二法則から導かれる
  • ボルツマンの関係式でマクロな世界とミクロな世界がつながった

です。

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